書面添付制度と電子申告
書面添付制度とは、税理士法33条の2の添付書面を申告書と共に提出することで、税理士のみに与えられた意見聴取制度が利用でき、結果、調査省略にもつながる制度なのです。
電子申告は、電子政府を目指す政府施策として平成16年から勧められてきていますが、平成19年度分は大幅に伸びました。
当事務所も電子申告を実施し、書面添付制度も継続することで、顧問先企業(個人)の税務調査ゼロを目指しています。
書面添付制度とは何?
書面添付とは、税理士のみに与えられた権利であり、税理士法第33条の2の書面を作成添付することで、実施調査の前に税務当局で意見聴取を受けることができる権利です。(税理士自身が直接意見)
この意見聴取において、顧問先について添付書面の内容及び未記入事項の事を説明することにより、短期間税務調査に繋がり、企業の時間的負担を軽減できます。
さらに、意見聴取で税務当局が決算内容等を理解できれば、税務調査が省略となる可能性が大きいのです。(顧問先企業にとって大変得)
税務調査において『税務当局にお土産として何か修正処理が必要』という風潮を唱える税理士がいるようですが、この考え方は古く税務当局も適正な税務申告であれば何も言いません。
このような事を言うのは、申し訳ないが不正を行った企業の言い訳か、税務署に顔をきかせたい?(きかないと思いますが)税理士の言い訳、に過ぎません。
もし、貴社の税理士がこのタイプであれば、書面添付の要請等をして反応を伺う今がその時かも知れません。
当事務所が推進している書面添付制度は、通常業務の中で税理士事務所が顧問先企業から提供された資料情報を基に作成するのですから、依頼する資料の全てを提供していただければ作成できないのが不思議なのです。ただし、事務所内での作成時間は必要(1日かかるケースもあります)です。
しかし、この書面添付制度の結果、これからは『調査立会数百件とか数千件』と呼ばれる先生方がいなくなる『普通の時代』になると考えます。
ただし、対策は必要ですよ。つまらない内容の書面添付であれば税務署はすでに記載内容のランク付けを始めていますので、書面添付が意味をなさない場合もあります。
また、意見聴取は税理士のみに対してですので、担当者がいなくても顧問先の決算内容が分かっていないとできません。
当事務所は、これからの時代、税務調査は書面添付ができない企業に集中することになると考えますので、当事務所で書面添付している顧問先企業には、意見聴取の結果調査がないように顧問先企業に協力いただいております。まだ、時間的余裕がなく可能でない顧問先企業もありますが、その場合も『事業概況報告書』に決算注意項目について記載しております。
さて、貴社は何ら対策なしで税務調査を受けるのと書面添付を行い税務調査がないかも?では、どちらがいいですか?
すべての顧問先に書面添付は可能か
書面添付は、税理士にのみ与えられた権利であり、有効に活用すべきですが、すべての顧問先に適用できるかと言えば、そうではないのです。
添付書面を作成するには、月次監査から決算申告書作成までにおいて、帳簿・請求書・領収書等の必要な書類を確認することが求められ、何を確認したかの書類を明記する必要があります。
なぜなら、確認していない書類等を明記した場合などの虚偽記載がある場合や粉飾決算の場合には、税理士は懲戒処分の対象になるからです。
つまり、書面添付制度では、依頼者である顧問先との意思疎通・信頼関係が重要となります。残念ですが粉飾決算や重要書類の提示を拒否される顧問先には適用できない制度になっています。
しかし、一部書面添付できない顧問先があったとしても書面添付の顧問先の書面内容を税務当局がチェックすればその税理士事務所がどのような業務指導を行い、どのような書類を確認しているかを判断できるはずで、その税理士事務所の信頼度は、アップすると考えます。
書面添付の記載の仕方は
近畿税理士会の会員先生は、『〈改訂版〉書面添付制度実務マニュアルー業務チェックリストの有効活用ー』を参考にしてください。
また、平成19年2月に業務対策部が作成した『業務チェックリスト集』を決算時に活用し、書面添付作成の資料としてご活用ください。
さらに、近税パソネットには大阪国税局や広島国税局等からの法人税、所得税、資産税の事例集がアップされていますので、参考にしてください。
電子申告について
電子申告については、平成16年から実施されていましたが、当事務所においては実施していませんでした。
しかし、平成19年に顧問先企業の代表者の電子証明書が不要となり税理士の電子証明書のみで可能であるとなった事で考えが変わりました。確かに、顧問先企業の電子証明書がない場合に、後日顧問先より「そのような数字でお願いしたことはない。どうしてくれるのか。」という苦情、文句がでた場合どうすれば、との不安がよぎりましたが、事前に電子申告確認書を準備して代表者の電子証明書が必要であれば準備していただくという対応をすればよいのではないかと考えたのです。
個人事業者に対して、これ以上の電子申告のメリットはないのかと言うとこの改正では、個人の者が電子申告を行う場合、平成19年分又は20年分のいずれか1年分のみ、最大5千円の税額控除が受けられるのです。ただし、本人の電子証明書とカードリ−ダを準備し、税務署に電子申告開始届出書の提出が必要になります。
個人の電子申告
上記に記載しましたが、平成19年分又は平成20年分のいずれかで電子申告を行なえば最大5千円の税額控除が受けられます。
つまり、年末調整が終了したサラリーマン等の給与所得者も可能だということです。
要件は、
@個人の電子証明書付住基カードが必要
A自分の納税地の税務署に電子申告開始届出書を提出
Bカードリーダを用意
C税務署より通知される利用者識別番号・暗証番号を確認変更
であり、以上を行い確定申告期間中に実行する必要があるということです。
いずれかの年で最大5千円ですので、年税額のない方は還付にはなりません。また、差引が余っても翌年に繰越できませんので、十分ご注意ください。
詳しくは、お近くの税務署にお尋ねください。
個人電子申告の最大の注意点は、
電子申告の5千円特別控除を受けるに際して、最も注意すべき点は、確定申告不要とされている所得の申告が必要であるという点である。
つまり、給与所得者でその給与収入が2千万円以下で、次の要件に該当して今まで確定申告を要しないとされていた所得である。つまり
@その年分の利子、配当、不動産、事業、山林、譲渡、一時、雑の各所得の金額の合計額が20万円以下である
A2以上の支払者から給与収入を受けている者で
イ 従たる給与の金額と給与所得及び退職所得以外の所得金額との合計額が20万円以下である
ロ イに該当する場合を除き、給与等の金額が150万円と各種所得控除の金額の合計額以下で、かつ、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下である
これらを、電子申告特別控除の5千円を適用したい者は申告する必要があるのです。
ただし、上場株式等の配当金などは、加算する必要はありません。
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