当事務所の活動範囲は、西脇市、多可町、加東市、加西市、加古川市、高砂市、三田市、川西市、大阪市、大津市、栗東市、湖南市、甲賀市、彦根市、千葉市 となっています。

書面添付制度で調査なし

書面添付制度とは、税理士法33条の2の添付書面を申告書と共に提出することで、税理士のみに与えられた意見聴取制度が利用でき、結果、調査省略にもつながる制度なのです。

当事務所も電子申告を実施し、書面添付制度も継続利用することで、顧問先の皆様の実地税務調査をゼロにしたいと考えています。

令和元年年5月1日現在、法人企業様の内1社を除いて税理士法第33条の2第1項に規定されている添付書面制度を利用しております。数年前までは添付書面制度による意見聴取を各税務署にて受けておりましたが、当事務所の書面への記載内容を信頼していただいているお蔭かもしれませんが、法人企業の税務調査が大幅に減少したのは事実です。

確かに税務当局の調査担当者の減少も影響しておりますし、3~5年の定期調査を受けている企業がまだまだ多いのが影響しているのかもしれませんが、減少しているのは事実です。他の先生方にお聞きしても同様のお話をお聞きしますので、信頼性かもしれませんね。

書面添付制度とは何?

 書面添付とは、税理士のみに与えられた権利であり、税理士法第33条の2の書面を作成添付することで、実施調査の前に税務当局で意見聴取を受けることができる権利です。(税理士自身が直接意見)
 この意見聴取において、顧問先について添付書面の内容及び未記入事項の事を説明することにより、短期間税務調査に繋がり、企業の時間的負担を軽減できます。
 さらに、意見聴取で税務当局が決算内容等を理解できれば、税務調査が省略となる可能性が大きいのです。(顧問先企業にとって大変得)
 税務調査において『税務当局にお土産として何か修正処理が必要』という風潮を唱える税理士がいるようですが、この考え方は古く税務当局も適正な税務申告であれば何も言いません。
 このような事を言うのは、申し訳ないが不正を行った企業の言い訳か、税務署に顔をきかせたい?(きかないと思いますが)税理士の言い訳、に過ぎません。
もし、貴社の税理士がこのタイプであれば、書面添付の要請等をして反応を伺う今がその時かも知れません。
 当事務所が推進している書面添付制度は、通常業務の中で税理士事務所が顧問先企業から提供された資料情報を基に作成するのですから、依頼する資料の全てを提供していただければ作成できないのが不思議なのです。ただし、事務所内での作成時間は必要(1日かかるケースもあります)です。
 しかし、この書面添付制度の結果、これからは『調査立会数百件とか数千件』と呼ばれる先生方がいなくなる『普通の時代』になると考えます。
 ただし、対策は必要ですよ。つまらない内容の書面添付であれば税務署はすでに記載内容のランク付けを始めていますので、書面添付が意味をなさない場合もあります。
 また、意見聴取は税理士のみに対してですので、担当者がいなくても顧問先の決算内容が分かっていないとできません。
 当事務所は、これからの時代、税務調査は書面添付ができない企業に集中することになると考えますので、当事務所で書面添付している顧問先企業には、意見聴取の結果調査がないように顧問先企業に協力いただいております。まだ、時間的余裕がなく可能でない顧問先企業もありますが、その場合も『事業概況報告書』に決算注意項目について記載しております。

 さて、貴社は何ら対策なしで税務調査を受けるのと書面添付を行い税務調査がないかも?では、どちらがいいですか?

すべての顧問先に書面添付は可能か

 書面添付は、税理士にのみ与えられた権利であり、有効に活用すべきですが、すべての顧問先に適用できるかと言えば、そうではないのです。
 添付書面を作成するには、月次監査から決算申告書作成までにおいて、帳簿・請求書・領収書等の必要な書類を確認することが求められ、何を確認したかの書類を明記する必要があります。
 なぜなら、確認していない書類等を明記した場合などの虚偽記載がある場合や粉飾決算の場合には、税理士は懲戒処分の対象になるからです。
 つまり、書面添付制度では、依頼者である顧問先との意思疎通・信頼関係が重要となります。残念ですが粉飾決算や重要書類の提示を拒否される顧問先には適用できない制度になっています。
 しかし、一部書面添付できない顧問先があったとしても書面添付の顧問先の書面内容を税務当局がチェックすればその税理士事務所がどのような業務指導を行い、どのような書類を確認しているかを判断できるはずで、その税理士事務所の信頼度は、アップすると考えます。

書面添付による税務調査の実績とそうでない企業の悲劇とは

書面添付を行って3年以上経過しましたが、税務署での私の意見聴取の機会は20数回になっています。その反面、税務調査は大幅に減少しております。書面添付の意見聴取を受けた企業の実地調査は、この2年間で3回しかありません。
平成23年度は、意見聴取を受けた法人の税務調査は1件です。書面添付制度活用の法人ですので、事前に所轄税務署にて意見聴取を受けました。その結果、契約書等を確認したい等のことで半日程の実地調査を受けました。当日は、社長・私の立会の下、午前10時間から午後1時までの調査で終了いたしました。
本当に短時間に終了いたしました。
税務当局の幹部曰く、『きちんと企業の書類を内容確認して決算をされている税理士の顧問先は、書面添付していただければ内容を精査の上、簡略化になる可能性は大いにあると考えます。』との意見です。
つまり、『書面添付制度』を利用していない税理士の顧問先に税務調査が集中すると考えられます。「税務調査時にこそ自身の力をみせる」と言われる税理士に顧問をお願いしている企業に税務調査が実施されることになります。3~5年ごとに税務調査があるのはこうした事が影響しているのではと考えています。