記載書面制度とは、税理士法33条の2の記載書面を申告書と共に提出することで、税理士のみに与えられた意見聴取制度が利用でき、結果、調査省略にもつながる制度なのです。
当事務所は、法人税をはじめ消費税、所得税、相続税及び贈与税のすべての申告書を電子申告で提出し、記載書面制度も継続利用することで、顧問先の皆様の実地税務調査をゼロにしたいと考えています。現在は、法人税・消費税(法人のみ)・相続税に関して記載書面制度を利用しています。
令和6年11月1日現在、法人企業様の内1社を除いて税理士法第33条の2第1項に規定されている記載書面制度を利用しております。以前は添付書面制度による意見聴取を各税務署にて受けておりましたが、当事務所の書面への記載内容を信頼していただいているお蔭かもしれませんが、法人企業の税務調査が大幅に減少したのは事実です。
確かに税務当局の調査担当者の減少も影響しておりますし、3~5年の定期調査を受けている企業がまだまだ多いのが影響しているのかもしれませんが、減少しているのは事実です。他の先生方にお聞きしても同様のお話をお聞きしますので、信頼性かもしれませんね。
記載書面制度とは、税理士のみに与えられた権利であり、税理士法第33条の2の書面を作成添付することで、実施調査の前に税務当局で意見聴取を受けることができる権利です。(税理士自身が直接意見)
この意見聴取において、顧問先について添付書面の内容及び未記入事項の事を説明することにより、短期間税務調査に繋がり、企業の時間的負担を軽減できます。
さらに、意見聴取で税務当局が決算内容等を理解できれば、税務調査が省略となる可能性が大きいのです。(顧問先企業にとって大変得)
税務調査において『税務当局にお土産として何か修正処理が必要』という風潮を唱える税理士がおられましたが、この考え方は古く税務当局も適正な税務申告であれば何も言いません。
このような事をおっしゃるのは、申し訳ありませんが不正を行った企業の言い訳か、税務署に顔をきかせたい?(きかないと思いますが)税理士の言い訳、に過ぎません。
注意が必要なのは、「こうこうしておれば大丈夫ですよ。」と耳打ちする知人には注意してください。その言葉、ご本人が調査で痛い目にあい、お友達を作りたいからの一言です。ご注意を。
当事務所が推進している記載書面制度は、通常業務の中で税理士事務所が顧問先企業から提供された資料情報を基に作成するのですから、依頼する資料の全てを提供していただければ作成できないのが不思議なのです。ただし、事務所内での作成時間は必要(1社1日かかるケースもあります)です。
しかし、この記載書面制度の結果、これからは『調査立会数百件とか数千件』と呼ばれる先生方がいなくなる『普通の時代』になると考えます。
ただし、対策は必要ですよ。つまらない内容の記載書面であれば税務署はすでに記載内容のランク付けを始めていますので、つまらない記載書面は記載書面と認めないとなっていると聞いております。。
また、意見聴取は税理士のみに対してですので、担当者がいなくても顧問先の決算内容が分かっていないとできません。ただ、担当者同席も認めてきているようです。決算内容を説明できない税理士さんがいるようです。
当事務所は、これからの時代、税務調査は記載書面ができない企業に集中することになると考えますので、当事務所で記載書面している顧問先企業には、意見聴取の結果調査がないように顧問先企業に協力いただいております。まだ、時間的余裕がなく可能でない顧問先企業もありますが、その場合も『事業概況報告書』に決算注意項目について記載しております。
さて、御社なら【税務調査なし】か【税務調査あり】のどちらを選択されますか。
書面添付は、税理士にのみ与えられた権利であり、有効に活用すべきですが、すべての顧問先に適用できるかと言えば、そうではないのです。
添付書面を作成するには、月次監査から決算申告書作成までにおいて、帳簿・請求書・領収書等の必要な書類を確認することが求められ、何を確認したかの書類を明記する必要があります。
なぜなら、確認していない書類等を明記した場合などの虚偽記載がある場合や粉飾決算の場合には、税理士は懲戒処分の対象になるからです。
つまり、書面添付制度では、依頼者である顧問先との意思疎通・信頼関係が重要となります。残念ですが粉飾決算や重要書類の提示を拒否される顧問先には適用できない制度になっています。
しかし、一部書面添付できない顧問先があったとしても書面添付の顧問先の書面内容を税務当局がチェックすればその税理士事務所がどのような業務指導を行い、どのような書類を確認しているかを判断できるはずで、その税理士事務所の信頼度は、アップすると考えます。
書面添付制度を行って16年以上になります。当初は年20回程度の意見聴取を税務署で実施されました。
以降、税務調査の回数が減少したのは事実で、調査移行でも期日短縮になっていきました。
税務当局の幹部曰く、『きちんと企業の書類を内容確認して決算をされている税理士の顧問先は、書面添付していただければ内容を精査の上、簡略化になる可能性は大いにあると考えます。』との意見です。
つまり、『書面添付制度』を利用していない税理士の顧問先に税務調査が集中すると考えられます。「税務調査時にこそ自身の力をみせる」と言われる税理士に顧問をお願いしている企業に税務調査が実施されることになります。3~5年ごとに税務調査があるのはこうした事が影響しているのではと考えています。